法律の世界で活躍する弁護士。その仕事には論理的思考力や分析力、そして時には人間関係を円滑に進める能力も求められます。
では、どのような性格の人が弁護士に向いているのでしょうか。MBTIという性格診断を通して、弁護士に向いている性格タイプを見ていきましょう。
弁護士に向いているMBTIタイプランキング
弁護士という職業は、単に法律の知識があれば務まるものではありません。様々な性格特性が求められる複雑な職業です。MBTIの16タイプの中から、特に弁護士に向いているタイプをランキング形式でご紹介します。
1位：ENTJ（指揮官）- 戦略的リーダーシップの持ち主
弁護士に最も向いているMBTIタイプの第1位は「ENTJ（指揮官）」です。ENTJタイプの人は、リーダーシップ能力と決断力を備えており、法律の世界の速いペースと変化に対応することができます。彼らは高いプレッシャーの環境で力を発揮し、チームを率いて共通の目標に向かって進むことができます。
ENTJの弁護士は、特に企業法務や大規模な訴訟を監督するような役割で優れた能力を発揮します。彼らの自信と断固とした態度は、同僚やクライアントからの信頼を得ることができ、複雑な法的課題に効果的に対処することができます。
また、ENTJは優れた組織力を持ち、複雑な法的問題を管理可能なタスクに分解することができます。彼らの戦略的アプローチにより、あらゆる詳細が考慮されるため、細部への注意が必要な案件で重要な役割を果たします。
2位：INTJ（建築家）- 分析力と計画性に優れたタイプ
第2位は「INTJ（建築家）」です。INTJタイプの人は、優れた戦略的思考と長期的なビジョンを持っており、法律分野の複雑さに適しています。彼らは複雑な問題を分析し、包括的な解決策を考案する能力は、訴訟や企業法務において特に有益です。
INTJの弁護士は独立性を重視し、一人または小さなチームで働くことを好む傾向があります。これにより、自分の案件に深く集中することができます。彼らの構造と計画への自然な傾向は、高いリスクを伴う法的環境において、常にあらゆる可能性に備えていることを意味します。
分析力に加えて、INTJは強い倫理的羅針盤を持っており、それが意思決定の指針となります。彼らはしばしばシステムやプロセスを改善したいという欲求に駆られ、それが同僚と一線を画する革新的な法的戦略につながることがあります。
アメリカの調査によると、INTJタイプは一般人口の中では約2%しか存在しないにもかかわらず、弁護士の中では13.1%を占めており、法律家としての適性の高さがうかがえます。
3位：ENTP（討論者）- 論理的思考と創造性を兼ね備えたタイプ
第3位は「ENTP（討論者）」です。ENTPタイプの人は、議論を好み、悪魔の代弁者を演じることを楽しむ傾向があります。これは法廷での弁論や交渉の場面で非常に役立ちます。彼らは論理的思考と創造性を兼ね備えており、複雑な法的問題に対して革新的なアプローチを取ることができます。
ENTPの弁護士は、異なる視点から問題を見ることができる能力があり、予期せぬ角度から反論を予測し対処することができます。また、彼らの適応力と即興性は、法廷での予期せぬ展開に対応する際に大きな強みとなります。
アメリカの調査では、ENTPタイプは弁護士の中で9.7%を占めており、一般人口における割合よりも高いことが分かっています。これは、法律という職業がENTPの自然な強みを活かせる場であることを示しています。
4位：ESTJ（幹部）- 組織力と実行力に長けたタイプ
第4位は「ESTJ（幹部）」です。ESTJタイプの人は、実践的で組織的な性格を持ち、クライアントを代表する際に批判的かつ分析的なスキルを使用する必要があるため、弁護士として優れた適性を持っています。彼らは論理的な意思決定に依存しながら、組織化された方法でタスクをこなすことを好みます。
ESTJの弁護士は、伝統と秩序を重んじ、自分自身と一緒に働く人々に対して強い献身を示します。彼らは実践的な意思決定者であり、仕事をより効率的に行う方法を常に探しています。また、共通の目標を達成するために他者をまとめることを楽しみ、そのチャレンジを歓迎します。
アメリカの調査では、ESTJタイプは弁護士の中で10.3%を占めており、法律専門家として成功する可能性が高いタイプの一つであることが示されています。
弁護士に向いていないMBTIタイプとその理由
すべての性格タイプが弁護士に向いているわけではありません。中には、法律の世界で働くことに特に課題を感じるタイプもあります。ここでは、弁護士として働く際に困難を感じる可能性が高いMBTIタイプをいくつか見ていきましょう。
INFP（仲介者）- 理想主義と感受性の強さが課題に
INFPタイプの人は、深い共感性と強い理想主義を持っています。これらの特性は多くの職業で価値がありますが、法律の世界では時に課題となることがあります。INFPは感情に基づいて決断を下す傾向があり、法律が要求する冷静で論理的な分析と相反することがあります。
また、INFPは対立を避ける傾向があり、弁護士の仕事に不可欠な対立的な状況に不快感を覚えることがあります。彼らの理想主義は、法律システムの現実的な制約や妥協の必要性と衝突することがあります。
興味深いことに、日本人の中ではINFPタイプが最も多く、約17.43%を占めているという調査結果があります。これは、日本の社会文化的背景において協調性やコミュニティを重んじる傾向があるためと考えられています。
ISFP（冒険家）- 自由を重んじる性格と法律の厳格さの相性
ISFPタイプの人は、自由と個人的な表現を重視します。彼らは構造化された環境や厳格なルールに縛られることを好まず、これが法律の厳格な性質と衝突することがあります。ISFPは現在の瞬間に生きることを好み、法律が要求する長期的な計画や詳細な分析に困難を感じることがあります。
また、ISFPは感情に基づいて決断を下す傾向があり、法律の論理的で客観的なアプローチとは相性が良くないことがあります。彼らの柔軟性と適応性は多くの状況で価値がありますが、法律の厳格さと構造化された性質とは対照的です。
アメリカの調査では、ISFPタイプは弁護士の中でわずか1.4%しか占めておらず、法律という職業との相性の低さを示しています。
ESFP（エンターテイナー）- 社交的な性格と法律業務の両立
ESFPタイプの人は、社交的で活発、そして現在の瞬間を楽しむことを重視します。彼らは自発的で楽しいことを求める傾向があり、法律の仕事に必要な詳細な研究や分析に退屈を感じることがあります。
ESFPは実践的な問題解決者ですが、法律が要求する抽象的な概念や理論的な分析に困難を感じることがあります。また、彼らは即時の結果を好み、法律案件が解決するまでに時間がかかることにフラストレーションを感じることがあります。
アメリカの調査では、ESFPタイプは弁護士の中でわずか0.5%しか占めておらず、16のMBTIタイプの中で最も少ないタイプとなっています。これは、ESFPの自然な傾向と法律の仕事の要求との間に大きなギャップがあることを示しています。
弁護士の専門分野別に見るおすすめMBTIタイプ
弁護士といっても、その専門分野は多岐にわたります。それぞれの分野によって求められる性格特性も異なります。ここでは、主要な法律の専門分野ごとに、特に適したMBTIタイプを見ていきましょう。
企業法務に向いているタイプ
企業法務は、ビジネスの法的側面を扱う分野です。この分野では、ビジネスセンスと法的知識を組み合わせる能力が重要です。
企業法務に特に向いているのは、ENTJとINTJのタイプです。ENTJは戦略的思考とリーダーシップを組み合わせることができ、企業クライアントのニーズを理解し対応することができます。INTJは複雑なビジネス規制を分析し、クライアントのための勝利戦略を開発する能力があります。
例えば、ENTJタイプのサラさん（仮名）は企業弁護士として働いており、彼女の戦略立案能力とチームリーダーシップによって、法律事務所の中で重要な存在となっています。彼女は複雑なビジネス規制を分析し、クライアントのための勝利戦略を開発することができます。
刑事弁護に向いているタイプ
刑事弁護は、刑事告発に直面している個人を代表する分野です。この分野では、強い擁護能力と感情的な知性の両方が必要です。
刑事弁護に特に向いているのは、ENTPとINFJのタイプです。ENTPは創造的な問題解決者であり、予期せぬ角度から反論を予測し対処することができます。INFJは深い共感性と洞察力を持ち、クライアントとの信頼関係を築くことができます。
INFJタイプの弁護士は、共感性と倫理的洞察力の独特の組み合わせを持っており、人間の感情や社会問題への深い理解が必要な法律分野に特に適しています。彼らは個人的なレベルで他者とつながる能力を持っており、家族法や市民権など、思いやりが不可欠な敏感なケースをナビゲートすることができます。
エネルギー法に向いているタイプ
エネルギー法は、エネルギー生産、分配、使用に関連する法的問題を扱う専門分野です。この分野では、技術的な詳細を理解する能力と長期的な視点が重要です。
エネルギー法に特に向いているのは、INTJとISTJのタイプです。INTJは複雑なシステムを分析し、長期的な戦略を開発する能力があります。ISTJは詳細に注意を払い、構造化されたアプローチでエネルギー規制の複雑さをナビゲートすることができます。
ISTJタイプの弁護士は、信頼性と細部への注意を体現しており、法律専門家に不可欠な特性です。彼らの方法論的な性質により、コンプライアンスオフィサーやパラリーガルなどの役割に理想的な候補者となります。ISTJは構造と日常を重視し、組織的なスキルを適用して事例ファイル、文書、法的手続きを管理できる環境で成功します。
MBTIタイプ別の弁護士としての年収傾向
弁護士の年収は、経験、専門分野、地理的位置など、多くの要因によって異なります。しかし、特定のMBTIタイプが他のタイプよりも高い収入を得る傾向があるという興味深いパターンも存在します。
高収入が期待できるMBTIタイプ
一般的に、思考型（T）の弁護士は感情型（F）の弁護士よりも高い収入を得る傾向があります。これは、思考型の弁護士が感情に左右されることなく、論理的な決断を下すことができるためと考えられています。
特に高収入が期待できるのは、ENTJ、INTJ、ESTJのタイプです。これらのタイプは、企業法務や知的財産法など、高収入の法律分野に引き寄せられる傾向があります。また、彼らの組織力とリーダーシップ能力は、法律事務所のパートナーや法務部門の責任者などの高給ポジションに就くのに役立ちます。
例えば、ENTJタイプの弁護士は、その戦略的思考とリーダーシップ能力により、大手法律事務所のパートナーや企業の法務部長など、高給のポジションに就く傾向があります。彼らの決断力と組織力は、大規模なチームを管理し、複雑な法的問題を解決するのに役立ちます。
収入を上げるために各タイプが意識すべきポイント
各MBTIタイプには強みと弱みがあり、収入を最大化するためには、自分のタイプに応じた戦略を採用することが重要です。
内向型（I）の弁護士は、ネットワーキングやセルフプロモーションに意識的に取り組むことで、より多くの機会を得ることができます。外向型（E）の弁護士は、詳細な研究や分析に時間を割くことで、より複雑な案件を扱えるようになります。
感情型（F）の弁護士は、感情に基づく決断と論理的な分析のバランスを取ることで、より効果的な法的助言を提供することができます。直感型（N）の弁護士は、実践的な詳細にも注意を払うことで、より包括的な法的戦略を開発することができます。
例えば、INFJタイプの弁護士は、その共感性と洞察力を活かして、クライアントとの強い信頼関係を築くことができます。しかし、より高い収入を得るためには、ビジネス開発やネットワーキングなどの活動にも時間を割くことが重要です。
日本人に多いMBTIタイプと弁護士適性の関係
日本人のMBTIタイプの分布は、世界的な傾向とは異なる独自のパターンを示しています。これが日本の法律業界にどのような影響を与えているのかを見ていきましょう。
日本人に多いMBTIタイプの特徴
日本で最も多いMBTIタイプは、INFPで約17.43%を占めています。次いで多いのはENFP（13%）、INTP（7%）、ISFJ（6.8%）、INFJ（6.7%）となっています。
興味深いことに、上位5つのタイプのうち、ENFPを除く4つは内向型（I）です。これは日本の文化的背景を反映していると考えられます。日本社会では協調性やコミュニティを重んじる傾向があり、これが内向型や感情型（F）のタイプが多い理由の一つかもしれません。
一方、世界的に最も多いとされるMBTIタイプはISTJやESFJなどの「番人」グループに属するタイプです。日本人に多いタイプと世界的に多いタイプの違いは、文化的背景や社会構造の違いを反映していると考えられます。
最新の2023年のデータによると、日本人に最も多いMBTIタイプは「INFP-T仲介者」で、全体の12.91%を占めています。続いて「ENFP-T運動家」（8.48%）や「ENFP-A運動家」（5.30%）が上位にランクインしています。日本人は自分の行動や選択に不安を感じやすい完璧主義者が多い傾向にあるといえるでしょう。
弁護士に向いているタイプの日本での割合
日本人に多いMBTIタイプと弁護士に向いているタイプを比較すると、興味深いギャップが見えてきます。弁護士に最も向いているとされるENTJ（指揮官）タイプは、日本人の中ではわずか2.57%しか存在しません。これは16タイプの中で最も少ない割合です。
また、弁護士に向いているとされる他のタイプも、日本人の中では比較的少数派です。INTJ（建築家）は3.70%、ENTP（討論者）は5.19%、ESTJ（幹部）は3.39%となっています。
このことから、日本では弁護士に向いているタイプの人材が比較的少ないことがわかります。しかし、これは逆に言えば、これらのタイプの人が弁護士を目指すことで、その希少性を活かした独自の価値を提供できる可能性があるということでもあります。
例えば、INTJ（建築家）タイプの山田さん（仮名）は、その分析力と戦略的思考を活かして、企業法務の分野で活躍しています。彼は少数派のINTJタイプであることを自覚し、その特性を強みとして活かすことで、独自の視点から法的アドバイスを提供しています。
弁護士として成功するためのMBTIタイプ別アドバイス
MBTIタイプを知ることは、自分の強みと弱みを理解し、それを職業選択や職業生活に活かすための第一歩です。ここでは、各MBTIタイプが弁護士として成功するためのアドバイスを見ていきましょう。
自分の強みを活かす方法
各MBTIタイプには独自の強みがあり、それを弁護士の仕事に活かすことができます。
ENTJ（指揮官）タイプの人は、リーダーシップと戦略的思考を活かして、大規模な訴訟や企業法務の分野で活躍することができます。チームを率いて複雑な法的問題に取り組むことで、その能力を最大限に発揮できるでしょう。
INTJ（建築家）タイプの人は、分析力と長期的視点を活かして、複雑な法的問題の解決策を見つけることができます。一人で深く考えることを好むINTJは、研究や文書作成など、集中力を要する作業で力を発揮できるでしょう。
ENTP（討論者）タイプの人は、創造的な問題解決能力と議論のスキルを活かして、法廷弁護や交渉の場面で活躍することができます。異なる視点から問題を見る能力は、予期せぬ反論に対応する際に大きな強みとなります。
ESTJ（幹部）タイプの人は、組織力と実行力を活かして、効率的な法律事務所の運営や複雑な案件の管理を行うことができます。彼らの実践的なアプローチは、具体的な結果を出すことが求められる法律の世界で価値があります。
弱点を補う具体的な戦略
どのMBTIタイプにも弱点はありますが、それを認識し、意識的に補うことで、より効果的な弁護士になることができます。
内向型（I）の弁護士は、ネットワーキングやクライアントとのコミュニケーションに課題を感じることがあります。これを補うためには、小規模なグループでの交流から始めたり、一対一のミーティングを多く設けたりすることが効果的です。また、ソーシャルメディアを活用して、直接的な対面コミュニケーションの負担を減らしながら、プロフェッショナルなネットワークを構築することもできます。
感情型（F）の弁護士は、感情に基づいて決断を下す傾向があり、法律の論理的な側面との間でバランスを取ることが難しいことがあります。これを補うためには、決断を下す前に論理的なフレームワークを使用したり、思考型（T）の同僚に相談したりすることが効果的です。また、感情を完全に排除するのではなく、それを共感力として活かし、クライアントとの信頼関係を築くことも重要です。
直感型（N）の弁護士は、具体的な詳細よりも大きな絵を見る傾向があり、法律の細かい部分を見落とすことがあります。これを補うためには、チェックリストを使用したり、感覚型（S）の同僚と協力したりすることが効果的です。また、重要な詳細を記録するためのシステムを構築することも役立ちます。
判断型（J）の弁護士は、計画通りに物事を進めたいという強い欲求があり、法律の世界の予測不可能な性質に適応することが難しいことがあります。これを補うためには、柔軟性を意識的に取り入れたり、予期せぬ事態に対する複数の計画を立てたりすることが効果的です。また、知覚型（P）の同僚と協力することで、より適応的なアプローチを学ぶことができます。
まとめ：MBTIタイプを知って最適な法律キャリアを築こう
MBTIタイプを知ることは、自分の強みと弱みを理解し、弁護士としてのキャリアを最適化するための貴重なツールとなります。弁護士に最も向いているタイプはENTJ（指揮官）、INTJ（建築家）、ENTP（討論者）、ESTJ（幹部）ですが、どのタイプの人も自分の特性を活かして法律の世界で成功することができます。
専門分野を選ぶ際には、自分のMBTIタイプの強みを活かせる分野を選ぶことが重要です。また、自分の弱点を認識し、それを補うための戦略を意識的に取り入れることで、より効果的な弁護士になることができます。
日本人に多いMBTIタイプと弁護士に向いているタイプの間にはギャップがありますが、それは逆に言えば、弁護士に向いているタイプの人が希少価値を持つということでもあります。自分のタイプを知り、その特性を最大限に活かすことで、法律の世界で独自の価値を提供することができるでしょう。
