心理カウンセラーという職業に興味はあるけれど、自分の性格が向いているのか迷っている方は多いのではないでしょうか。性格診断ツールとして人気のMBTI（マイヤーズ・ブリッグス・タイプ指標）は、そんな悩みを解決するヒントになります。
この記事では、心理カウンセラーに向いているMBTIタイプをランキング形式でご紹介します。自分の性格タイプがカウンセラーとして活かせるのか、また足りない部分をどう補えばよいのかがわかります。
心理カウンセラーに最適なMBTIタイプランキング
心理カウンセラーという仕事は、クライアントの心に寄り添い、問題解決をサポートする専門職です。どのようなMBTIタイプがこの仕事に向いているのでしょうか。最新の研究と実践例から、カウンセラーに適したタイプをランキングでご紹介します。
1位：INFJ（提唱者型）- 直感力と共感性の理想的バランス
心理カウンセラーに最も向いているのは、INFJタイプです。INFJは「提唱者型」とも呼ばれ、16タイプの中で最も共感力が高いと言われています。クライアントの言葉にならない感情や悩みを察知する力に優れており、安心感のある空間を作り出すことができます。
INFJの特徴は、深い洞察力と温かい共感性のバランスが取れていることです。内向的でありながらも、他者の感情に敏感に反応する特性は、カウンセリングの場で大きな強みとなります。
例えば、クライアントが表面的には怒りを表現していても、その裏にある悲しみや不安を感じ取ることができます。また、直感的な理解力を活かして、クライアントの問題の根本原因を見抜く力にも長けています。
INFJタイプのカウンセラーは、深層心理学やユング心理学などの分析的アプローチと相性が良く、クライアントの内面を丁寧に探求するスタイルが特徴です。
2位：ENFJ（主人公型）- 人を導く天性のカウンセラー
2位はENFJタイプです。ENFJは「主人公型」とも呼ばれ、人々を導き、励ます天性の能力を持っています。外向的な性格でありながら、他者の感情に深く共感できる点がカウンセラーとして大きな強みです。
ENFJの魅力は、温かく親しみやすい雰囲気と、人の可能性を信じる力です。クライアントとすぐに良好な関係を築き、信頼感を醸成することができます。また、相手の成長を促す質問を投げかけ、自己反省を促す能力にも長けています。
カウンセリングの場では、ENFJは協力的なアプローチを好み、クライアントと一緒に目標や行動計画を立てることを得意としています。その熱意と情熱は周囲に伝染し、クライアントが自分自身の成長に向けて積極的に取り組むよう促します。
ENFJタイプのカウンセラーは、特に関係性カウンセリングやグループセラピーなどの対人関係を重視するアプローチと相性が良いでしょう。
3位：INFP（仲介者型）- 深い共感と非判断的アプローチ
3位はINFPタイプです。INFPは「仲介者型」とも呼ばれ、調和と理解を深く求める性格です。クライアントに対して開かれた心と非判断的な態度で接することができ、安全で受容的な環境を作り出します。
INFPの特徴は、強い価値観に基づいた深い共感力です。この価値観が、クライアントの苦しみに深く共感し、個々の経験を尊重する姿勢につながります。また、創造性に富んだアプローチで、クライアント一人ひとりに合った独自のセラピー戦略を考案することができます。
カウンセリングの場では、INFPはクライアントが自分の感情や価値観を探求するのを手助けし、内なる思いや願望を言葉にするよう促します。その優しい物腰と忍耐強さは、クライアントが安心して自分の経験を語れる雰囲気を作り出します。
INFPタイプのカウンセラーは、人間中心療法やナラティブセラピーなど、クライアントの内面的な成長を重視するアプローチと相性が良いでしょう。
4位：INTJ（建築家型）- 分析力と問題解決能力
4位はINTJタイプです。INTJは「建築家型」とも呼ばれ、戦略的思考と分析力を兼ね備えています。複雑な問題を分析し、クライアントの課題に対する包括的な治療計画を立てることに長けています。
INTJの強みは、冷静で焦点を絞ったアプローチです。これによりクライアントは安心感を得ることができます。また、客観性を保ちながら明確な洞察と実用的な解決策を提供する能力は、感情的に複雑な状況を整理するのに役立ちます。
カウンセリングの場では、INTJはエビデンスに基づいた実践と構造化された方法論を活用してクライアントの成長を促します。行動パターンや傾向を識別する能力に優れており、的を絞った介入方法を提案することができます。
INTJタイプのカウンセラーは、認知行動療法（CBT）などの論理的で構造化されたアプローチと相性が良いでしょう。研究によれば、「思考型（T）」の人は認知行動療法から大きな恩恵を受ける傾向があります。
MBTIとは？心理カウンセリングとの関連性
MBTIは、スイスの精神科医カール・ユングの理論を基に、アメリカの母娘チーム、キャサリン・クック・ブリッグスとイザベル・ブリッグス・マイヤーズによって開発された性格診断ツールです。人の性格を4つの軸で分類し、合計16タイプに分けています。
MBTIの基本概念と16タイプの特徴
MBTIの4つの軸は以下の通りです。
第1軸：外向型（E）vs 内向型（I）- エネルギーの方向性
第2軸：感覚型（S）vs 直感型（N）- 情報の収集方法
第3軸：思考型（T）vs 感情型（F）- 判断の基準
第4軸：判断型（J）vs 知覚型（P）- 外界への対応方法
これらの組み合わせにより、ISTJ、ENFP、INFJなど、合計16タイプが生まれます。各タイプには独自の特徴があり、それぞれの強みと課題があります。
例えば、「INFJ」は内向型（I）、直感型（N）、感情型（F）、判断型（J）の組み合わせです。このタイプは、内面的なエネルギー源を持ち、抽象的な情報を好み、価値観に基づいて判断し、計画的に行動する傾向があります。
心理カウンセリングに必要な資質とMBTIの関係性
心理カウンセリングという職業では、クライアントの心に寄り添い、問題解決をサポートするスキルが求められます。MBTIの枠組みを通して、カウンセラーに必要な資質を考えると、いくつかの重要な関連性が見えてきます。
特に「感情型（F）」の特性は、クライアントの感情に共感し、信頼関係を築く上で重要です。一方で、「思考型（T）」の論理的思考力は、問題分析や解決策の提案に役立ちます。
また、「直感型（N）」の抽象的思考力は、クライアントの問題の根本原因を見抜く際に有効です。「感覚型（S）」の現実的な視点は、具体的な行動計画を立てる際に役立ちます。
最新の研究によれば、特に「思考-感情」の軸がカウンセリングの効果に影響を与える可能性があります。2025年の研究では、認知療法において「思考型（T）」の人が「感情型（F）」の人よりも良い結果を示す傾向が報告されています。
心理カウンセラーに求められる5つの重要な資質
MBTIタイプに関わらず、優れた心理カウンセラーになるためには、いくつかの重要な資質が必要です。これらの資質は、自分のMBTIタイプの強みを活かしながら、意識的に育てていくことができます。
高い共感力と人間理解
心理カウンセラーの最も基本的な資質は、クライアントの感情や経験に共感する能力です。これは単に「相手の気持ちがわかる」というだけでなく、クライアントの世界観や価値観を尊重し、その人の立場から物事を見る力です。
MBTIでは、特に「感情型（F）」のタイプがこの資質に優れています。INFJやENFJなどは、生まれつき高い共感力を持っていると言われています。
一方、「思考型（T）」のタイプは、論理的思考を重視する傾向があるため、意識的に共感力を育てる必要があるかもしれません。しかし、INTJのように分析力と共感力のバランスを取ることで、独自の強みを発揮することができます。
優れた傾聴スキル
カウンセリングの基本は「聴く」ことです。クライアントの言葉に耳を傾け、その背後にある感情や考えを理解する能力は、カウンセラーにとって不可欠です。
傾聴には、言葉だけでなく、表情やボディランゲージなどの非言語コミュニケーションも含まれます。また、相手の話を遮らず、判断せずに聴く姿勢も重要です。
MBTIでは、「内向型（I）」のタイプが静かに耳を傾ける能力に優れていることが多いです。INFJやINFPなどは、相手の言葉に深く耳を傾け、その意味を理解することを得意としています。
感情コントロール能力
カウンセラーは、クライアントの感情に共感しながらも、自分自身の感情をコントロールする能力が必要です。クライアントの話す内容が時に重く、感情的になることもありますが、プロフェッショナルとして冷静さを保つことが求められます。
これは「感情的になるな」ということではなく、自分の感情を認識し、適切に管理する能力です。自己認識と自己調整の能力は、長期的にカウンセラーとして活動するための重要な資質です。
MBTIでは、「判断型（J）」のタイプが感情のコントロールに優れていることが多いです。INFJやINTJなどは、感情を認識しつつも、それに振り回されずに対応することができます。
論理的思考力と分析力
カウンセリングでは、クライアントの問題を論理的に分析し、適切な介入方法を考える能力も重要です。表面的な症状だけでなく、その根本原因を探り、効果的な解決策を提案するためには、論理的思考力が欠かせません。
特に認知行動療法（CBT）などのアプローチでは、クライアントの思考パターンを分析し、より健全な思考方法を提案することが中心となります。
MBTIでは、「思考型（T）」のタイプがこの資質に優れています。INTJやENTJなどは、問題を論理的に分析し、効果的な解決策を見つけることを得意としています。
自己成長への意欲と継続学習
心理カウンセラーは、常に新しい知識やスキルを学び続ける姿勢が重要です。心理学の分野は日々進化しており、最新の研究や技法を取り入れることで、より効果的なカウンセリングを提供することができます。
また、自己理解を深め、自分自身の課題や盲点に気づくことも、カウンセラーとしての成長には欠かせません。自己成長への意欲は、クライアントの成長をサポートする上での基盤となります。
MBTIでは、「直感型（N）」のタイプが新しいアイデアや概念に興味を持ち、学び続ける傾向があります。INFJやINTJなどは、自己成長や継続学習に対して高いモチベーションを持っていることが多いです。
MBTIタイプ別：カウンセラーとしての強みと課題
各MBTIタイプには、カウンセラーとしての独自の強みと課題があります。自分のタイプの特徴を理解することで、強みを活かし、課題を克服するための方法を見つけることができます。
感情型（F）タイプの強み：共感力と人間関係構築
「感情型（F）」のタイプは、クライアントの感情に共感し、信頼関係を築くことに長けています。INFJやENFJなどは、クライアントの感情的なニーズを敏感に察知し、温かく受容的な環境を作り出すことができます。
また、価値観や人間関係を重視する傾向があるため、クライアントの人間関係の問題や価値観の葛藤に対して、深い理解と洞察を提供することができます。
一方で、感情型のカウンセラーは、クライアントの感情に影響されやすく、感情的な巻き込まれや共感疲労のリスクがあります。自己ケアと境界線の設定が重要な課題となります。
思考型（T）タイプの強み：客観性と問題解決
「思考型（T）」のタイプは、クライアントの問題を客観的に分析し、論理的な解決策を提案することに長けています。INTJやENTJなどは、感情に流されず、冷静に状況を評価することができます。
また、問題解決志向が強いため、クライアントが具体的な目標を達成するための効果的な戦略を立てることを得意としています。特に認知行動療法（CBT）などの構造化されたアプローチとの相性が良いです。
一方で、思考型のカウンセラーは、クライアントの感情的なニーズを見落としたり、共感が不足したりする可能性があります。意識的に共感力を育て、感情的な側面にも注意を払うことが課題となります。
内向型（I）と外向型（E）：カウンセリングスタイルの違い
「内向型（I）」のカウンセラーは、深い一対一の関係を築くことを得意としています。静かで落ち着いた雰囲気を作り出し、クライアントが内面を探求するのを助けることができます。INFJやINFPなどは、クライアントの内面的な成長を促す深い洞察を提供することができます。
一方、「外向型（E）」のカウンセラーは、活発でエネルギッシュな雰囲気を作り出し、クライアントを励まし、動機づけることを得意としています。ENFJやENFPなどは、クライアントとすぐに良好な関係を築き、積極的な行動変容を促すことができます。
どちらのスタイルにも強みがありますが、内向型は長時間のセッションによるエネルギー消耗に注意が必要です。十分な休息と自己回復の時間を確保することが、長期的にカウンセラーとして活動するためのポイントとなります。
判断型（J）と知覚型（P）：セッション管理の特徴
「判断型（J）」のカウンセラーは、構造化されたセッションを好む傾向があります。INFJやENFJなどは、明確な目標と計画に基づいたカウンセリングを提供することを得意としています。セッションの時間管理が上手く、クライアントの問題に対して具体的な解決策を提案することができます。
一方、「知覚型（P）」のカウンセラーは、柔軟で適応力のあるアプローチを好みます。INFPやENFPなどは、クライアントの話の流れに合わせて、その場の状況に応じたカウンセリングを提供することができます。予期せぬ展開にも柔軟に対応し、クライアントの自己発見を促すことを得意としています。
どちらのスタイルにも強みがありますが、判断型は時に柔軟性に欠け、知覚型は時に焦点がぼやけてしまう可能性があります。自分のスタイルを理解し、必要に応じて調整することが重要です。
日本人に多いMBTIタイプとカウンセラー適性の関係
日本人のMBTIタイプ分布には、欧米とは異なる特徴があります。これは文化的背景や社会的価値観の違いによるものと考えられています。日本人のカウンセラーが自分のタイプを理解することは、文化的文脈の中で効果的なカウンセリングを提供するために重要です。
日本人のMBTI分布の特徴
日本人に比較的多いとされるMBTIタイプには、ISTJ（管理者型）やISFJ（擁護者型）などの「内向型（I）」と「感覚型（S）」の組み合わせがあります。これらのタイプは、伝統や秩序を重んじ、細部に注意を払う傾向があります。
一方、欧米に比べて少ないとされるのは、ENTJ（指揮官型）やENTP（討論者型）などの「外向型（E）」と「直感型（N）」の組み合わせです。これらのタイプは、革新的なアイデアを積極的に発信する傾向があります。
日本人カウンセラーの中でも、INFJ（提唱者型）やINFP（仲介者型）などの「内向型（I）」と「感情型（F）」の組み合わせは、クライアントの内面に深く寄り添う能力を持っており、カウンセリングの場で強みを発揮することができます。
日本の文化的背景とカウンセリングスタイル
日本の文化的背景は、カウンセリングスタイルにも影響を与えています。例えば、「和を尊ぶ」「察する文化」などの特徴は、非言語コミュニケーションや間接的な表現を重視するカウンセリングスタイルにつながる可能性があります。
INFJやISFJなどの「感情型（F）」のタイプは、このような文化的文脈の中で、クライアントの微妙な感情の変化や非言語的なサインを読み取る能力を活かすことができます。
一方、「思考型（T）」のタイプは、論理的な分析と問題解決に長けており、特に認知行動療法（CBT）などの構造化されたアプローチを用いる場合に強みを発揮します。日本でも近年、エビデンスに基づいた実践が重視されるようになっており、INTJやENTJなどのタイプの論理的思考力が求められる場面も増えています。
日本人カウンセラーは、自分のMBTIタイプを理解した上で、日本の文化的文脈に合ったカウンセリングスタイルを発展させることが重要です。
自分のMBTIタイプを活かしたカウンセリングスキルの向上法
どのMBTIタイプにも、カウンセラーとしての強みと課題があります。自分のタイプの特徴を理解し、強みを活かしながら課題を克服することで、より効果的なカウンセリングを提供することができます。
タイプ別：伸ばすべき強みと補うべき弱点
「感情型（F）」のカウンセラーは、クライアントの感情に共感し、信頼関係を築くことを得意としています。この強みをさらに伸ばすためには、感情認識のスキルを磨き、クライアントの微妙な感情の変化にも気づけるようになることが大切です。
一方、感情型の弱点としては、クライアントの感情に巻き込まれすぎる可能性があります。これを補うためには、自己認識と境界線の設定のスキルを学び、プロフェッショナルとしての客観性を保つ訓練が必要です。
「思考型（T）」のカウンセラーは、問題を論理的に分析し、効果的な解決策を提案することを得意としています。この強みをさらに伸ばすためには、最新の研究や技法に関する知識を深め、エビデンスに基づいた実践を行うことが大切です。
一方、思考型の弱点としては、クライアントの感情的なニーズを見落とす可能性があります。これを補うためには、共感力を意識的に育て、クライアントの感情に注意を払う訓練が必要です。
異なるタイプからの学びとバランス感覚の養成
自分とは異なるMBTIタイプのカウンセラーから学ぶことで、より総合的なカウンセリングスキルを身につけることができます。例えば、「内向型（I）」のカウンセラーは、「外向型（E）」のカウンセラーの活発なコミュニケーションスタイルから学ぶことができます。
また、「感覚型（S）」のカウンセラーは、「直感型（N）」のカウンセラーの抽象的思考力や創造的なアプローチから学ぶことができます。逆も同様です。
異なるタイプのカウンセラーとの交流や協働を通じて、自分にはない視点や方法を取り入れることで、バランスの取れたカウンセリングスキルを養成することができます。
例えば、INFJタイプのカウンセラーは、ENTJタイプのカウンセラーの明確な目標設定と行動計画のアプローチから学ぶことで、より効果的なカウンセリングを提供することができるでしょう。
また、継続的な学習と自己反省を通じて、自分のタイプの特徴を理解しながらも、それに縛られない柔軟なカウンセリングスタイルを発展させることが重要です。
まとめ：MBTIは参考指標、大切なのは自己理解と成長
MBTIは心理カウンセラーの適性を考える上で有用な指標ですが、あくまでも参考の一つです。どのタイプにも強みと課題があり、自分のタイプを理解することで効果的なカウンセリングを提供する手がかりになります。最も大切なのは、自己理解を深め、継続的に成長していく姿勢です。クライアントの多様なニーズに応えられるカウンセラーを目指しましょう。
